屈折について

5.乱視の見え方
 角膜の表面は通常なめらかなカーブをしており、そのカーブ(曲率半径)がどの方向をとっても同じ場合は乱視ではない状態ですが、ラグビーボールの表面のように縦方向と横方向のカーブが異なる場合は縦、横方向での見え方の鮮明さが異なります。
 例えば縦方向がハッキリ見え、その直角の横方向がぼやけて見える人は、縦棒の多い“酬”という字は割合読めますが、縦棒の多い“善”は読みにくいことになるのです。

 乱視を矯正していない場合、見やすい方向を使って見ようとするので、顎を上下に動かして上目遣いや下目使いをしたり、顔を左右にまわして横目使いの目つきで見る傾向があります。


(大阪府眼科医会 楠研二先生)